"ailiens" sung by kirinji
キリンジの『エイリアンズ』
10年ほど前だったと思うが、自分の旧ブログにキリンジの『エイリアンズ』について取り上げたことがあった。今回新しいブログの起ち上げで題材を探しているうちにキリンジのことを思い出して、久しぶりにYou Tubeで聞き返してみた。色々聞いてみたが、やはり『エイリアンズ』ほどの突き刺さる曲は見つからなかった。もともとJ-POPを頻繁に聞くわけでもなく、知識も少ないのだが、エイリアンズを発見した頃はたまたま訳あってラジオを一日中かけ流していた。倖田來未が出始めの頃で、トーク番組に出ているのを聞いて、えれー元気のいいねえちゃんが出てきたなと思ったが、その頃は既にキューティハニーで有名になった後だったようで、それだけ私がJ-POPの世界に疎かったということである。
大体B'zとかミスチルとかなんやらとか似たようなグループやシンガー(アーティストという呼び方には嫌悪感を感じるのであくまでもシンガー)が流行っているのは知っていたが、メロディーラインはとりたてて惹きつけるものがなく、(もともと私自身どんな歌でも耳に入ってくるのはメロディーが主体で歌詞はあまり追わない質だが)歌詞は何かわけのわからないたわ言にしか聞こえなかった。そして何よりも変に作り込んだような発声法が嫌だった。当時のシーンで評価できたのは椎名林檎やUAや中島美嘉やAIなど数少ない女性シンガーだけである。女性シンガーのほうにずっとナチュラルなタレントの発露が見られたからだ。もちろん、いい加減な聞き手なので、見落としや聞き落としは数知れないと思うが。
そんな折、偶然耳に入ってきたのががキリンジのエイリアンズだった。そして私はその音楽に奇妙な感銘を受けたのを覚えている。音楽を聴くことで自分の中に一つの空間が形成されて広がっていく現象を久しぶりに体験した気がした。公団の上に広がる夜空にボーイング機が飛び去っていく。するとそこはロンドンのドックランズの集合住宅のような廃墟に変貌する。遠く聞こえる車の音はバイパスの澄んだ空気とメスカリンの夜明けを知らせている。この地球のこの僻地にひっそりと佇む二人は月明かりに舐められてエイリアン(宇宙からの侵入者=異邦人)となり、そして二人っきりの孤独の中に沈んでいく。「暗いニュースが日の出とともに町に降る前に」今、孤独な二人は一夜限りのバビロン(流刑地)で、恍惚の月明かりに溶けている。
エイリアンズ
作詞・作曲 堀込泰行
遥か空に旅客機(ボーイング)音もなく
公団の屋根の上 どこへ行く
誰かの不機嫌も寝静まる夜さ
バイパスの澄んだ空気と 僕の町
泣かないでくれダーリン ほら月明かりが
長い夜に寝つけない二人の額を撫でて
まるで僕らはエイリアンズ
禁断の実ほおばっては 月の裏を夢みて
キミが好きだよエイリアン
この星のこの僻地で魔法をかけてみせるさ
いいかい
どこかで不揃いな 遠吠え
仮面のようなスポーツカーが火を吐いた
笑っておくれダーリン ほら 素晴らしい夜に
僕の短所をジョークにしても 眉をひそめないで
そうさ僕らはエイリアンズ
街灯に沿って歩けば ごらん新世界のようさ
キミが好きだよエイリアン
無いものねだりもキスで魔法のように解けるさ
いつか
踊ろうよ さぁ ダーリン ラストダンスを
暗いニュースが日の出とともに町に降る前に
まるで僕らはエイリアンズ
禁断の実ほおばっては 月の裏を夢みて
キミを愛してるエイリアン
この星の僻地の僕らに魔法をかけてみせるさ
大好きさエイリアン
わかるかい
上段 『エイリアンズ』
下段 『Sweet
Soul』 以前リリースしていた女性がハイウェイを旅するPVの疾走感がよかった
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