あかね / madder

あかね/ madder

毛羽立つ心に

痣のように残るもの

とある街角で拾った釦

叫びながら駆けていく少女

長い睫毛のきみ

どうやってここまで来たの？

そんな苦しい誤解が

風が吹いてくる

逆光の通路に

ぼくときみの関係

そんなにグレーな風景が

心象にこびりついている

「ラリってばっかいるんじゃないよ」

って喚いてたころ

二階から見下ろすと

コンクリの打ちっぱなしが

ザラザラしていて

青い車が通り過ぎて行ったね

ゆらゆらと揺れる心の影が

そうやってぼくを連れて行く

憂鬱で素敵なインディゴの街へ

透明な三角定規ください！

おいしそうに見えるから

それで胸を刺して

逝けるかも

できたらうれしいわ

だってわたしたちイロだもの

きっとすてきになれるわ

茜色の街に

出て行けるわ

って

砂埃で明るい平和な郊外

そこで過ごした十四年

もう何処かへ行っちまった

　

ね 

　　　　　　　

　　　詩集『モザイク板』より

　

ギンギンギラギラ / GinGinGiragira

ギンギンギラギラ

　　ぎんぎんぎらぎら夕日が沈む

　　   ぎんぎんぎらぎら日が沈む

　　　　　葛原しげる「夕日」より

鋭い疑問符が

突き刺さるように飛んでいく先には

磨きぬかれた硬質の闇があるようで

速度がギンギン光るのだ

　

しかし、拒否されても

生きていかねばならないから

音はかえってしないのだ

とある街角

生身のぼくは立ち尽くす

なぜだか知らないけれど

そうすることが避けられないらしい　　

ギンギンギラギラ光りながら



　　　　　　　　　詩集『モザイク板』より

GinGinGiragira

Ahead of a sharp question mark flying into it

There seems to be a hard darkness

That has been polished off

So the speed shins glaring

However even if refused

No sound anyhow

Because we must continue to live

At a certain street corner

flesh-and-blood of I stand in a trance

I don’t know why but

It seems inevitable

While shining GinGinGiragira

death / 死

death 


No need to go dead
Death is very close
Always by your side































#poem #poetry #poesy #lyrics #drawing#painting #death #詩 #詩集 #詩 #描画 #絵 #死